Faber Company 開発ブログ

ファベルカンパニーと読みます。

開発者体験を徹底的に考える2日間!Developer eXperience Day 2024に参加してきました (1日目 速報)

Developer eXperience Day 2024 #dxd2024 が2024年7月16日・17日に開催中です。
cto-a.org

Faber Company 開発運用チーム 金子が、参加したセッションで気になった話題をピックアップして速報します!

[基調講演] 日本の未来を支える力とは?デジタル化と開発者の挑戦

公式概要

この講演では、デジタル化による日本の変革への挑戦について探ります。行政や様々な企業がどのように日本社会を変革しようとしているのか、その背景と未来の展望を共有します。そして、デジタル化の推進に欠かせない開発者たちが直面するリアルな技術的・社会的課題を深掘りし、さらに、イノベーションを生み出すための秘訣、2つのDX(デジタル・トランスフォーメーション & デベロッパーエクスペリエンス)の視点からビジネスも開発者も挑戦する方法を探ります。日本の開発者が今後も国際的に競争力を維持し、どのようにして挑戦に必要なスキルや経験を築いていくかについて議論します。

登壇者

宮坂 学 様

東京都 副知事

藤本 真樹 様

日本CTO協会 理事 デジタル庁 CTO

所感

東京都副知事とデジタル庁CTOの対談という、ここでしか見られない貴重なセッションでした。

日本におけるデジタル化はどうあるべきなのかという題についての対談でしたが、特に印象に残ったのは『魚は水に感謝しない』という言葉です(宮坂 副知事も心に留めているとのこと)。

Faber Company では、我々の存在意義として『マーケティングゼロ』という言葉を掲げ、事業展開やサービス開発を続けています。 『人がマーケティングを意識しない(=当然のものとして感じている)』世界を目指す開発者として、これからも当社チーム内での開発体験をより良く設計し、改善を繰り返していくことが重要と感じました。

「責任ある開発」を!フルサービスオーナーシップが変えるエンジニアリング文化

公式概要

”You build it, you run it”という言葉が示すとおり、真の価値を提供していくためには開発者が運用フェーズにまで携わることが重要です。ですが単純に責任範囲を広げるだけでは、認知負荷の高まりを招き生産性が低下しかねません。そのためには、ゴールデンパスやエンドツーエンドのインシデント管理が必要不可欠です。本セッションでは、どのように真のDevOpsを実現するか、プラットフォームエンジニアリングの観点とPagerDutyを組み合わせて解説します。

登壇者

草間 一人 様

PagerDuty株式会社 プロダクトエバンジェリスト

所感

システム障害が事業リスクやビジネス収益に直結する現代のサービス開発においては、いかにダウンタイムを短縮するかという問題からは逃れられません。 このセクションでは、Platform EngineeringやTeam Topologiesの考え方をもとに、そのコードを書いた開発者がライフサイクル全体に責任を持つ「フルサービスオーナーシップ」という形について解説頂きました。

当社開発チームでも、徐々にTeam Topologiesに則ったチーム構成に寄せていこうと計画していますが、そこで課題になるのが「認知負荷」の問題です。

これを解決するための9つのベストプラクティスは、セッションの時間が足りなくなったことで拝聴できませんでした。追って公開される資料にて閲覧可能とのことだったので、拝見してすぐにでも対策を練っていこうと思います。

(2024年7月17日 追記) SpeakerDeckにて資料が公開されております https://speakerdeck.com/jacopen/ze-ren-arukai-fa-wo-hurusabisuonasitupugabian-eruenziniaringuwen-hua

※ プラットフォームチームの立ち上げ、推進にご興味がある方は採用サイトからカジュアル面談の申し込みもお待ちしております!

成長期に歩みを止めないための創業期の開発文化形成

公式概要

株式会社ナレッジワークは創業4年で従業員100人超になるスタートアップです。ナレッジワークでは創業当初より組織拡大を見据えて戦略的に文化を作って来ました。特により良い開発体験は会社の戦略理解から始まると捉えており、戦略理解には時間をかけています。また、開発者体験を良くするために情報をナレッジとして残す取り組み(PRD、DesignDoc、レビュー、テスト仕様書、ポストモーテム等)も創業当初より整えてきたものです。当日はこれまで取り組んできた文化形成の成功談・失敗談をあらいざらいお話します。

登壇者

川中 真耶 様

株式会社ナレッジワーク CTO

所感

開発文化の形成にかかわるキーポイントについて、ナレッジワーク様での事例をご紹介いただき、特に「技術選定における専門家を配置する」「決める人と決める場所を決める」という取り組みが、現在の当社チームにはまだ不足しているなと感じています。

そのほかにも、ビジネス側との連携を支援するPdMとPMMが話し合うプロダクトシェアデイの設置や、設計を事前にレビューしておくDesignDocの導入など、かなり具体的なアプローチをご紹介いただき、まだまだ我々がトライすべき取り組みは多いと痛感しました。

開発者が意思決定しやすい、提案しやすい環境を作るべく、当社開発チームの組織構成や体制をこれからも見直していきます。

オブザーバビリティに関するグローバルレポートを読み解く

公式概要

このセッションでは、オブザーバビリティに関する最新のグローバルレポートを読み解き、その重要性と実践的な活用方法について解説します。特に、企業が本番環境での問題を迅速に検出し、解決するための戦略を紹介します。レポートの主要な発見を共有し、オブザーバビリティを強化するための具体的なツールや手法を取り上げることで、参加者が自社のシステムの信頼性とパフォーマンスを向上させる手助けをします。

登壇者

大谷 和紀 様

Splunk Services Japan合同会社 シニアソリューションアーキテクト、オブザーバビリティ

所感

オブザーバビリティを改めてちゃんと勉強しようと思っていた矢先でのセッションで、いい意味で焦りを感じる内容でした。

ユーザ体験の低下はブランドイメージや信頼性の低下を生み、その結果、ビジネス指標(売上や株価)の低下につながります。

このことを開発者全員が常に心に留め、より良い顧客体験を徹底的に突き詰めていく開発組織にすべく、これからも文化作りに邁進していきます。

望ましい自動テストとは: どのようなテストが開発生産性と開発者体験を共に高めるのか

公式概要

自動テストの目的や、開発生産性に与える影響を明確に言語化し、認識できている組織はまだ多くはありません。語彙の混乱も正しい理解を阻害しています。 本講演では、雑誌WEB+DB PRESSのコラム「サバンナ便り」の連載で得られた自動テストに関する知見をあらためて体系的にまとめます。自動テストの目的をまず再定義し、望ましいテストの姿を明らかにします。次に、自動テストの理解を段階的に再構築していきます。講演終了時には参加者の皆様の中に理想的な自動テスト群のイメージが明確に存在する状態を目指します。

登壇者

和田 卓人 様

タワーズ・クエスト株式会社 取締役社長

所感

天下のtwadaさんが、テストコードがなぜ必要なのか、品質の高いテストとは何なのか、開発組織としてテストとどう向き合っていくべきか、という広い範囲の話を45分にまとめてくださいました。

プログラミングをしているすべての開発者が一度は聴いておくべき内容で、私自身、改めて「テストの重要性をメンバー、そしてステークホルダーにどう説明すべきなのか」を考え直すきっかけとなりました。

特に、テストサイズとテストピラミッドをどう紐づけて考えるのが適切か、そして現状のピラミッド構成をベースに、どのように理想状態に移行していくのがベターかという話は、テスト周りのロードマップを作る際に必ず思い出せるようにしておこうと思います。

総括

2024年に開催されるDeveloper eXperience Dayということで、AIに関する話題が多く取り上げられると予想していましたが、参加したセッションではそれほど多くの言及はありませんでした。むしろ、組織構造や文化、責任範囲といった「人」に焦点を当てたセッションが多かったことが印象的でした(私がそのようなセッションを選んだからかもしれません)。

開発生産性を向上させるツールやサービスが次々とリリースされている中で、それだけが開発者体験を向上させる要素ではないということを強く感じました。

技術者としての体験と、組織やチームでの体験、その両方が掛け合わさることで真の開発者体験が生まれるのだと、今日のセッションを通じて改めて実感しました。